妊活中こそ「魚」を食べよう|女性にも男性にも大切な魚の栄養
妊活中の食事というと、
「葉酸を摂らなきゃ」
「鉄が足りているかな?」
「たんぱく質も大切」
など、特定の栄養素に目が向きやすいですよね。
もちろん、妊活の土台となる栄養状態を整えることは大切です。
でも、栄養素を一つずつサプリメントで補うだけではなく、毎日の食事からいろいろな食品を食べることも大切。
その中でも、今回おすすめしたいのが「魚」です。
魚には、EPAやDHAをはじめ、たんぱく質、ビタミンD、ミネラルなど、身体づくりに必要な栄養素が含まれています。
そして近年、妊活や生殖に関する研究でも、魚やオメガ3脂肪酸との関係が注目されています。
ART治療を受けるカップルを調べた研究では
ハーバード大学の研究グループが行っている「EARTH研究」では、ART(体外受精や顕微授精などの生殖補助医療)を受けるカップルを対象に、食事や生活習慣と治療成績との関係が調べられています。
2022年に発表された研究では、229組のカップル、410周期のART治療について、男女のオメガ3脂肪酸や魚介類などの摂取量と治療成績との関連が調査されました。
その結果、
女性では、EPA・DHAの摂取量が多いほど、出産まで至る割合が高い
という関連が報告されました。

EPA・DHAの摂取量が最も少ないグループでは出産率が36%だったのに対し、最も多いグループでは54%でした。
また、EPA・DHAの摂取量が多い女性ほど、妊娠後の流産・妊娠損失が少ないという関連もみられています。
ただし、これは「EPA・DHAを摂れば出産率が上がる」と証明した研究ではありません。
食事や生活習慣にはさまざまな要因が関係するため、魚を食べることと治療成績に関連がみられたという捉え方が大切です。
男性にとっても魚は大切
この研究で興味深いのは、男性についても結果が出ていること。
男性では、オメガ3脂肪酸の摂取量が多いほど、精子数・精子濃度・精子運動率が良好という関連がみられました。
一方で、男性のオメガ3摂取量とARTの治療成績そのものには明確な関連は認められていません。
つまり、
「妊活の食事=女性のための食事」
ではありません。
卵子だけでなく、精子も毎日の生活や栄養の影響を受けます。
妊活は女性だけが頑張るのではなく、カップルで食生活を整えていくことが大切です。
なぜ魚がおすすめなの?
魚には、さまざまな栄養素が含まれています。
EPA・DHA
サバ、イワシ、サンマ、鮭などの魚に含まれる代表的な脂肪酸です。
EPA・DHAは体内で十分な量を作ることができないため、食事から摂取することが大切です。
たんぱく質
卵子や精子を含め、私たちの身体をつくる材料となる大切な栄養素です。
ビタミンD
骨の健康だけでなく、さまざまな身体の機能に関わる栄養素です。
ミネラル
魚介類には、種類によって亜鉛、鉄、セレンなどさまざまなミネラルが含まれています。
つまり魚は、
「オメガ3だけを摂るための食品」ではありません。
いろいろな栄養素を一緒に摂ることができる、毎日の食事に取り入れやすい食品のひとつです。
妊活中は「魚を食べる習慣」を
おすすめなのは、
・サバ
・イワシ
・サンマ
・鮭
・アジ
など、普段の食卓に取り入れやすい魚。
焼き魚だけでなく、
・煮魚
・蒸し魚
・南蛮漬け
・魚のスープ
・お刺身
など、いろいろな食べ方があります。
「毎日食べなきゃ」と頑張りすぎる必要はありません。
まずは、
魚料理を週に何回か取り入れる。
そんな小さな習慣から始めてみましょう。
魚は「妊活中」だけではありません
魚のメリットは、妊娠するまでだけではありません。
日本の大規模な「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」では、妊娠中の魚の摂取量と、子どもの3歳時点での神経発達との関連が調べられています。
91,909組の母子を対象とした解析では、妊娠中の魚の摂取量が多いグループで、3歳時点の微細運動、問題解決、個人・社会などの発達の遅れが少ないという関連が報告されました。

もちろん、これは「魚を食べれば子どもの発達が良くなる」と証明した研究ではありません。
魚を食べる人は、ほかの食生活や生活習慣も異なる可能性があります。
それでも、
妊活中の食事は、妊娠するまでだけを考えるものではなく、その先の妊娠・出産、そして赤ちゃんの成長までつながっている
と考えるきっかけになる研究だと思います。
「魚を食べれば妊娠できる」ではありません
ここは大切なポイントです。
オメガ3脂肪酸と妊娠・生殖との関係については、複数の研究があります。
2024年のメタ解析では、オメガ3の摂取と妊娠・受精率の改善との関連が示されましたが、研究間のばらつきが大きく、さらなる前向き研究が必要とされています。
また、ART女性を対象とした系統的レビューでも、オメガ3が卵子・胚の質やARTの結果に良い影響を与える可能性が示されている一方、研究結果にはばらつきがあり、確実な推奨にはさらなる研究が必要とされています。
だからこそ、
「魚を食べれば妊娠できる」
という単純な話ではありません。
大切なのは、魚だけに注目することではなく、
魚・肉・卵・大豆製品・野菜・海藻・果物など、さまざまな食品から栄養を摂ること。
その中のひとつとして、
「魚を食べる習慣」
を取り入れてみることです。
妊娠したら「魚を食べない」ではなく、種類と量を意識
妊娠中は魚に含まれる水銀が気になる方もいると思います。
魚介類はEPA・DHAや良質なたんぱく質、微量栄養素を含む大切な食品ですが、一部の大型魚などには水銀が比較的多く含まれる場合があります。
厚生労働省も、妊婦については水銀濃度の高い魚介類を偏って多量に食べることを避けながら、魚食のメリットを活かすことを案内しています。
ですから、
「妊娠したら魚を避ける」ではなく、いろいろな種類の魚をバランスよく食べる
ことを意識しましょう。

妊活の土台は、毎日の食事から
妊活では、葉酸、鉄、たんぱく質、ビタミンD、オメガ3など、さまざまな栄養素が注目されます。
でも、身体は一つの栄養素だけでできているわけではありません。
だからこそ、
「何を摂れば妊娠できる?」
だけではなく、
「毎日の食事で、いろいろな食品を食べられているかな?」
と考えてみてください。
魚・肉・卵・大豆製品・野菜・海藻・果物。
いろいろな食品から栄養を摂る。
そして、その中に魚料理も取り入れる。
そんな毎日の積み重ねが、妊活の土台となる栄養状態を整えることにつながります。
with EARTHから
妊活というと、どうしても「何をすれば妊娠できるのか」に目が向きがちです。
でも私たちが大切にしたいのは、
妊娠することだけではなく、妊娠・出産、その先の家族の健康まで見据えて身体を整えていくこと。
毎日の食事も、その大切な一部です。
まずは今日の食卓に、
お魚料理をひとつ。
できることから、少しずつ始めてみませんか?
with EARTHでは、鍼灸だけでなく、妊活中の生活習慣や栄養についても一緒に考えながら、妊活の土台づくりをサポートしています。
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